なぜセラピストに依頼するのかということについて考えてみました

私を知る人は、何も言わなくても気づいているらしい。「必要最低限の調理しかしない」のが体からにじみ出ているようで、私の周りには手料理をふるまってくれる人やおかずをタッパーに詰めて分けてくれる人がいます。言い訳をさせてもらうなら、子どもが小さかった頃は離乳食を作って、にんじんペーストを小分け冷凍していたし、おやつもほうれん草を練り込んで手作りしてた時期もある。バターロールやパイ生地、フランスパン、シフォンケーキ、マドレーヌ、クッキー、ジャム類、シソ・ウメジュース、オレンジピール干し柿・・・・・。完成度は低いけれど、料理もお菓子類も保存食系も浅く経験はしているのです。このことを現在付き合いのある人に話すとかなり驚かれるんですよね。仕方ないか。。。
おいしい油と塩としょうゆがあれば幸せに暮らせそう。子どもの「メシ」を気にしなくていい日は蒸した野菜に油としょうゆをかけておかずにし、ごはんを食べておしまいです。

uzumakiaroma.hatenablog.com

さて。前回記事↑をまとめた後にひとつ感じたことがありました。それは

「調べればただでいくらでも情報が入るけれども、(モニターとはいえ)プロが行うセッションでなぜあれほどの結果(気づき)が得られるんだろうか」

ということ。
お金を支払うことに意味があるのもわかっているし、「そのための時間をとる」ことも重要。でも何か腑に落ち切らないなあと思っていました。私自身が施術する身でありながら恥ずかしいけれど。

私のところで施術を希望される方は当然、何かしらの「改善したいところ」があってやってきます。「都合の悪いものをとってほしい」簡単にいうとこういうことかなと思います。体の痛みや心の違和感、それらをすっきりとさせたい。
ならば、今の世の中さまざまな情報があるわけで、スマホに話しかければその痛みをとる方法や心に関する情報を得まくって、その中から自分にヒットするものを探せばいいんじゃないかな。
実際に、過去私が開催していた教室で「効果的なレシピさえわかればひとりでアロマを実践できますね!(つまりわざわざ教室に参加するまでもなかった)」と言っていた方がいて、その時は「その通りだよ」と心にもやもやを抱えながら返事をしました。何か伝えたいなと思ったのですが、言葉にはなりませんでした。

ホメオスタシスという言葉を聞いたことはありますか?「恒常性」という意味です。
参考になるかなとWikipediaから引用させてもらいます。

恒常性

恒常性(こうじょうせい)ないしはホメオスタシス(英語:Homeostasis、ギリシア語:ΟΜΟΙΟΣΤΑΣΙΣ)とは、生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。

外部からの刺激に対して、人の体内環境を「保とう」とする働きのことを言います。セラピストはこの言葉を聞きまくって辟易しているかもしれませんが、今日はこの話題です。

例えば免疫の働き。体内に異物が入ってきたぞと認識されると、免疫システムがウーウーとサイレンを鳴らして発動し、それを排除するために様々な手を打ちます。風邪をを引いて熱を出すというのは、体内に侵入したウイルスに対して、それを退治するまたは追い出して元の安定した状態を取り戻そうとする働きなのです。
転んで傷ができたけれど回復したとか、冷たいものを食べ過ぎてお腹をこわしたとか、疲れていて12時間も寝た!とか、これらもおなじことですね。

これらの反応のしかたを見てみると、もともと安定した人間の生活に「発熱」「かさぶた」「腹痛・下痢」「睡眠欲」が急浮上しているわけです。体内におきた異常事態に対して『元に戻そうとする働き』なんです。個人的には、腹痛は外出先だとかなり困るので、できたら違う表出のしかたがいいな・・・なんて思いますけど。

そこで、今度はサロンに来る方のことを考えてみます。
例えば疲れて疲れてしょうがない方が来てくれました。この疲れをサロンで取って帰りたい、そう思っています。↑のホメオスタシスを念頭に置いて考えてみますと、サロンでできることは

・急浮上した「疲労」から回復するための環境提供とトリートメント

なのですが、これってやろうと思ったら自分でできるんじゃないかしら。思い切って仕事を休んで、時間を気にせず過ごす環境を整えたら、ネットで探した方法の中から気に入ったものを選んでセルフトリートメントをすればいい。サロンでのアドバイスでも、毎日都合に合わせて取り入れてもらうようにセルフケアについてのアドバイスを多くしています。

しかし、たいていの人は気づいていないのです。

『表出したネガティブな症状を取り除くことだけに注目していて、体内の環境が乱れたという意識がない(あるいは薄い)』

のです。

痛みや疲労感が、あなたの体内環境をいつものいい状態に保とうとしている働きなのだと捉えると、急に痛みが恋しくなりませんか?ありがとう、私の内部環境を一定に保つためにこんなにしっかりと反応してくれているなんて!と感動しませんか(笑)
ホメオスタシスは心の状態にも言えると思います。つまり出来事に対してあなたの心の環境が乱れたときに、強く悲しいと感じたり、怒りが湧いてきたり、笑いが止まらなかったり。私の中では心についても体についても、同じように捉えています。

あなたという体と心の環境が本来どうであったのかを見つめて、いま表出している「都合の悪いこと」は何に対するものなんだろうと思いをめぐらす。あるいは、あなたが気づいていない違和感に対して具体的なものが出るよう促す。これらをセラピーの全体的な知識とあなたとを関連付けて考える。これをひとりでやるのはすっごく難しいことなのです。

・・・とここで、数年前に教室に参加してくださった方に、今の私はどう答えるだろうか。考えてみました。

「その通りです。知識とテクニックは市販の本やインターネットなどで手に入れられます。あなたの体に起きていることにどんなメッセージがあるのか知りたいと感じたときは、力になりますよ」

こんな感じ、でしょうか。

以前みた夢の中で、印象的だったものを紹介しますね。

私は暗くて何もないとても広い場所にいました。私の他にも大勢の人がいて、それぞれに跳ねたり踊ったりして楽しそうにしています。遠くからは文句を言っているような声も聞こえていて賑やか。そんな中で私は何もすることがなく、何も感じることがなく、動くことができずに座り込んでいました。
楽しそうな姿にはもちろんうらやましいと感じましたし、ぷんぷん怒っている人にもああなりたいなあと感じていました。何も感じないというのは辛い。その辛ささえも感じないのです。
そこで何かが起きました。詳細は分からなかったけれど私にとってとても悲しいことだったようで、ショックでボロボロと涙がこぼれてきました。
私はその後さらに号泣するのですが、その理由は「私の中に、悲しいという感情があってよかった」という喜びの気持ちだったのです。私の心が動いたこと、悲しいというはっきりとした感情がとても素晴らしかった。

ネガティブに見える事柄も、あなたの中の「振れ幅」でもあり「ホメオスタシス」でもある。痛みも疲労感も怒りの気持ちも恋しくなりませんか?


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