私は何を妄信しているんだろう
お肌に強い乾燥があって、医師から処方されたクリームを塗っていますというかたから、どんなものがいいのでしょうかと聞かれました。
そのクリームは使っていていかがですか？お肌の状態は改善していますか？と質問すると、考えこんでしまわれたんですね。たっぷりと油分をふくんだクリームのようなので、お肌につけていることで保護の役割はできているのでしょう。でも長期間使っていながら、お肌が健康になってきているという実感までは持っていらっしゃらない様子でした。
私は３歳の頃からひどい喘息を発症して、まあまあ落ち着くまでの１０年間、点滴や飲み薬吸入器いろんな治療にたすけられてきました。
一度ひどい発作が起こると歩くことすら苦しくてできませんでした。ただ立っていることも大変です。苦しすぎて横になって眠ることもできず、一生懸命に息を吸い今度は一生懸命に息を吐いて、豆電球のついた寝室の布団の上に座りながら一晩過ごしました。
細いストローを使って息をしているくらいの大変さです。気管が炎症を起こして狭くなっているところに無理やり息を通すので、ぎゅうーという音とひどい胸の痛みがありましたね。「あーもう息するの嫌だな･･･」と何度思ったかなあ（遠い目）。
喘息の根本的な解決のための治療ではありませんでしたが、もしあの状態で医者にかからずにいたら、体力も精神力も消耗しきってあるとき「息するのもう疲れたな・・・」と諦めていたかも。中学生になって運動部に入り体力がついてきて、一気に発作の回数が減りました。成長して体力がつくまで症状を抑えてくれてありがとうー！って思います。
そうやって医療のお世話になっているので、自然療法を通して人の身体に関わっていますが、お医者さんや医薬品を毛嫌いしているわけではありません。
薬を使って健康管理をしているからこそ、心身共に豊かな暮らしを送ることができているという高齢者の姿も見てきています（訪問介護の仕事をしていました）。
全体として、その方が豊かに心身共に調和がとれた生活を送るために、何が必要でなのが不必要なのかということです。
科学的根拠、エビデンスがあるものを利用するというのが現代においては一般的ですけれど、それがその人の身体にとって有用かどうかということを確認しないことには、ただの妄信じゃないのかな？と思ってしまいます。
自然療法をしていると言うと「そういうものを妄信している人、現代医療を毛嫌いしている人」という見方をされてしまうことがありますが、そういうかたがもし「自然療法を毛嫌いして現代医療を妄信している」のなら、結局同じことかなと。
自分を最適な環境に置いてあげる。シルバニアファミリーってありますね。家具から日用品から、いろんなものをそろえて最高にお気に入りの空間を作っていきますけど（私は買ってもらえなかったので想像で言ってますけどね）あんな感じで、主人公としての自分をお人形さんのように見立てて客観視しながら、どんなことをしてあげようか、どんな環境に置いてあげたら心地よく過ごせるのか、よく観察しながら最適な状態にしてあげる。
話をもとに戻しますね。お肌の強い乾燥があるというかたの望みが「お肌の乾燥がおさまり皮膚がやわらかい状態になってほしい」ということならば、クリームを塗ることでその状態が作れるのだからすでに達成できています。でも望みが「皮膚の乾燥や硬さ、あかぎれを起こすようなお肌の状態から、本来の健康的な肌になること」なのだとしたら、あらためて医師に相談して違うものを試すとか、生活の中で乾燥を引き起こすきっかけがあるかどうか見直していく必要があります。
見直していくときに、自然療法のやり方だとどうなりますか？ともし相談があれば、その方の生活に負担のない方法で取り入れられるものを一緒に考えていくことになりますが、「肌の乾燥があるなら〇〇を使えば解決する」と手っ取り早い回答はどうしてもできないので、ゆっくりとご自分の身体の状態と向き合いながら進めていくことになります。面倒ですけど、ご自身の変化を見ながら進めていくって、私はとっても素敵なことだなと思うんですよね。
クレイテラピー（粘土療法）は古くからある自然療法
おっと。今回はクレイテラピーのことについてお話ししようとしていました。
なんとなく美容のイメージ、お肌のクリーニングに役立ちそうだというイメージがあるクレイですが、自然療法として見ていくと古代エジプトの時代にすでに使われていた記録があるそうです。美容面での利用でなく、炎症をおこした傷口の治療法のひとつとして使われた記録があります。
アロマテラピーの歴史でも学びますがギリシャ時代の『マテリア・メディカ薬物誌』にも、薬草学の父と呼ばれるディオスコリデスによって骨折や皮膚疾患、毒蛇に咬まれた際等の治療に使うとクレイについての記録があるそうです。
評判のよいクレイはそのうわさが広まり、ヨーロッパ内で流通していたそうです。私は昨年、自分が取り扱っている「アロマフランス社」のクレイの採掘地を訪問して、クレイの山に触れてきましたが、その地域一帯がクレイを含んだ土壌なんですね。住宅が立ち並ぶすぐ裏の山の斜面から、緑色の土が顔を出していました。
クレイを使ってみて、どのように身体に影響があったかを確認して、さらに良質なクレイや用途に合ったクレイを探して使ってみる･･･ということを続けながら、クレイがどのような場所から多く産出されるのか、良質なクレイはどういったものなのか、どのようなことに役立つのかといった研究がされてきたのでしょう。
ということから、現在クレイの特性については大きく３つ、このようなものがあると言われています。
①体内の滞り、体液を吸収してむくみや膿みを取り除く
②老廃物をクレイ側に吸い付ける
③細胞の再生に必要なイオンを供給する
クレイの分子構成や含有ミネラルによって、上記のようなはたらきが起こることがわかっています。科学的に証明しきれていないことももちろんありますし、使ってみたときの個体差がどうしてもある。そこを毎回観察しながら、その方にとっての最良に近づいていこうというものです。
それは、信じる信じないとかいう話ではなく、実際に使ってみてどうだったのかというところが大事なのです。それは他人が決めることではなくその人自身が気付くこと、または観察によって変化を知ることですよね。
ああまた具体的な話ができずに終わってしまいました。仕切り直しますごめんなさい(;´∀｀)
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